YOKOHAMAN'S A GO GO

[NEVER SOLD OUT]なブログ

#BLUEBLOOD30thAnniversary



大将がこんなツイートを↓


 
ツイッター始めて2ツイート目の人も↓

 

 

天国からも↓

 

これまたもう1人天国から↓

そして世界中から↓

 

ついにはこんな企画も↓

愛すべき後輩バンドも巻き込んで↓




メジャーもメジャーなバンドのメジャーデビュー記念日だから当の本人や関係者がお祝いするのはごく自然なことではあるんだけど、それ以上のこのメジャーデビューアルバムのもつ影響力ってあまりに絶大なのね。

 
インディーズ史に、ヘヴィメタル史に、邦楽史に、いや音楽史に残る名盤って言っても過言じゃないくらいの名盤なわけですよ。
現にローリングストーン誌が選ぶロック名盤ランキング15位に入ってるわけで。
 
平成が残り数日になってしまった今日に、平成元年にリリースされたこのアルバムを語るのもなかなかオツなものかと思いまして。
 
そして何よりワタクシ自身このブログのURLやTwitter IDに使うくらい大好きで、ワタクシの中でも名盤5選、いや3選には確実にランクインするくらいの名盤なのですね。
だから本人達の盛り上がりに便乗して少しばかり語ってみようかと。
 
 

BLUE BLOOD』(ブルー・ブラッド)は、日本のロックバンド、X(のちのXJAPAN)が1989年4月21日にリリースした2作目のアルバム。メジャー・デビュー・アルバムとしてCBSソニーよりリリースされた。


かつてインディーズシーンで関東三大粗大ゴミバンドと呼ばれたXは、当時御法度とされていたテレビに出まくり名前を売り続けていた反面、音楽面はほぼ評価されていなかった。
 
ところが粗大ゴミその他2バンドのリーダーTAIJI(ディメンシア)、HIDE(サーベルタイガー)が加入し度重なるメンバーチェンジを繰り返した末にようやく固まり、爆発的な人気を誇っていた。YOSHIKIが自ら立ち上げたエクスタシーレコードからリリースした1stアルバム Vanishing Visionは売れに売れて、ツアーも満員御礼。
 
メンバー、特にリーダーYOSHIKIが多数のレーベルから誘いを受けるも慎重に話を進め、1988.8.1にCBSソニーと契約。
有名なエピソードとして、YOSHIKIソニーとの契約の場に弁護士引き連れて行ったら、「悪い意味でこんなやつ初めてだ」とソニーの社員に言われたとか、HIDE曰く別のレーベルは契約してくれたらメンバー5人全員にBMWくれてやると言われたとか笑
 
ここからメジャーデビューに向けて河口湖でのレコーディング合宿に入る。
そして年明け1989.1.6に本格レコーディングスタート。と同時に渋谷公会堂でのライブが2時間でフル完売する。※まだデビュー前です。
 
そして1989.4.21にリリース初登場6位という成績。ここから100週以上ランクインして累計80万売るんですね、しかもCDバブル前夜にも関わらず。音楽面の評価も一変したのは間違いない。
 
まぁ経緯はこの辺にしておいて、タイトルのblue bloodこれは貴族出身とか名門出身という意味があったり。ここでは普通に青い血とのこと。
 
上にあるジャケットの
PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK
はHIDEが付けたキャッチコピーでこれからヴィジュアル系というワードが生まれたとされてる。
 
肝心の中身はというと
 
YOSHIKI(Dr.Pf)
TOSHI(Vo)
HIDE(Gt)
TAIJI(Ba)
PATA(Gt)
 
 
グレート栄田ストリングス(ストリングス)
斎藤ネコ(オーケストラアレンジ)
津田直士(プロデュース)
 
ここにコーラスとしてエクスタシーの舎弟バンド後輩バンドRADIES ROOM、ZIKILLや多数の親交のあったバンド、ロッキンf編集長細井泉、バンドやろうぜ編集長吉田幸司が参加
 
ガッチガチの縦社会なエクスタシーレコードから後輩連れてくるあたりやっぱXって社長でありながら面倒見のいい兄貴分だったんだなぁと。
 
斎藤ネコオーケストラはその後も度々お世話になっていて、2年後の91年にNHKホールでやることになるX with orchestraってライブでもオーケストラ担当することになる。
 
楽曲はというと
 
PROLOGUE(~WORLD ANTHEM)
WEEK END
EASY FIGHT RAMBLING
X
ENDLESS RAIN
XCLAMATION
オルガスム
CELEBRATION
ROSE OF PAIN
UNFINISHED
 
もうね無駄のない、隙のない、ボリューム満載精鋭達のただただ素晴らしき12トラック、65分12秒なのよ笑 
 
インディーズから持ってきてリアレンジされた曲、新しい曲のバランスも良いし、何より予算が増えてフルオーケストラ導入出来たことで元々クラシック出身だったYOSHIKIが才能を爆発させられたのが大きかったのかな。
 
ここら辺がXJAPAN、YOSHIKIが日本の音楽界に起こした革命のひとつとしてメタル、ロックとクラシックの融合だったと思う。ドラムセットとグランドピアノを何往復もする人なんて今までいなかっただろうし。
そんなやや暴力的なメタルと淀みのない綺麗なクラシックにキャッチーなメロディを乗せたのがX。この辺が売れた最大の理由だったりするのかな。ちなみにYOSHIKIは楽器を使って作曲せず、譜面のみで作曲する。このアルバムのオーケストラの人達用の譜面も半分以上YOSHIKIが書いた。
 
 
 
前述したようにバラエティで嘲笑の対象になっていたXが音楽面で評価された瞬間だったんだと思う。
 
サウンドの細かい話はプロデューサーだった津田さんのこちらに詳しく書かれているのでよかったら↓当時若手社員だった津田さんがソニーの中でもXを推していて手を組んで引き上げて今のXがあるって言っても過言ではないと思われる。

ということで1曲毎に分けていきます
 
PROLOGUE(~WORLD ANTHEM)
(作詞:YOSHIKI.作曲:F.Marino.編曲:X)
この曲はSEで、フランクマリノ&マホガニーラッシュのインスト曲のカバー。
ライブでもデビューから93年までずっとオープニングのSEとして使われていて、97年解散コンサートから再結成して今に至るまではアンコール明けの登場で使われてる現役SE曲。
 
デビュー前のDear Loser、94年からはAmethyst、2010年からはMiracleがオープニングSEになるけれど、やっぱこれが1番好き。上記3曲もYOSHIKIのセンスが詰まった名曲なのは間違いないんだけどね。
 
もう1音目から素晴らしい。王者の登場みたいな笑 最初はオリジナルを作ろうとしたけど、YOSHIKIの頭の中からこの曲のメロディが離れなくて、何作ってもこの曲になるのでカバーで採用。俺たちに向けて作ってくれたということにするか笑 みたいな事も言ってたような笑
 
 
ちなみに原曲はこちら
 
フルオケ導入曲で当然ながらメンバーの演奏。原曲よりもかなり壮大にアレンジされててギターはいかにもHIDEとPATA。アウトロはナレーションが乗る。ライブ用の煽りナレは実はHIDEの声だった。
 
選曲からアレンジまで​まだ1曲目のSEなのに既にセンスダダ漏れ、超絶かっこよくて爆上げにもってこいな感じで次へ。
 
(作詞作曲YOSHIKI.編曲X)
​BPM188のスピードメタル。アルバム同タイトルのリードチューン。WORLD ANTHEMから間髪入れずにいきなりイントロ。これが当時も今もロック小僧の胸を鷲掴みにするわけですよ!笑
 
サイドギターのPATAの高速カッティングに高速バスドラ連打、TAIJIブイブイ分厚い低音言わせてHIDEは抜群のフレーズセンスでリード。イントロから楽器隊4人の良さがぜーんぶ詰まってる。
 
歌はというと当時はややしゃがれ気味ではありながら日本語がメインでこういうサウンドのロックが出てくると、やっぱりロック好きは心揺さぶられると思う。当時の映像観ると、特に地方イベントはみんな客がヘドバンしてるしね。
 
前述したように暴力的なスピードメタルにキャッチーな、誤解を恐れずにいうとやや演歌的なメロディーが乗るっていうXらしさ満載の曲。
というのも定番化していたメロディ時代はYOSHIKIが作り、アレンジはHIDEやTAIJIが詰めていくっていう黄金パターンが確立されてたからなのかな。
メタル音楽特有の「早い、うるさい、くっさい」の象徴みたいな曲ではあるけどスピードメタルバンドがメジャーに出て、しかも1曲目がこれってやっぱ革命だったと思うのです。
 
この速さゆえに近年はライブでやれず、再結成後は1度しかやってないけど、やっぱ成熟してテクニックも上がった今、観てみたいものです。
 
 
WEEK END
​(作詞作曲:YOSHIKI.編曲:X)
​ここから解散まで、そして再結成後もずっとやってる曲。故にアレンジがたくさんあってシングルverだったり、95-96年のツアー前半のアレンジだったり、ツアー後半以降のアレンジだったり。
 
後にリリースされるRusty Nailはこの続編と言われていて、ライブのセトリもRusty Nail→WEEK ENDの流れが定番化していく。
歌詞の世界観はなかなか独特で、MVで自殺を示唆する表現があったり、歌詞があったり、YOSHIKIの書く詞っていうのは生い立ち故どうしても死や命を意識するものが多くて常にその辺のイメージが本人の頭の中につきまとうんだよね。
だいぶ重たいフレーズも多々あるけれど、サウンドが他のいかにもXな曲と比べるとやや軽めポップ寄りというか若干ロックンロール調でまたそのギャップが良かったりする。 メジャーに行くとやっぱ幅広くなるというか、多様性もつというか、やっぱりポップな曲も増えるよね。
 
個人的には特にギターソロに関しては後々シングルカットされた方のバージョンのほうが好きだったりする。
 
 
 
 
EASY FIGHT RAMBLING
​(作詞:TOSHI&白鳥瞳.作曲、編曲:X)
 
​シャッフルリズム曲。作曲:XとなっているのはTAIJIとHIDEで原形を作り、YOSHIKIとTOSHIでメロディーを詰めたため。たしか唯一の作曲:X名義の曲のはず。
作詞はTOSHIと白鳥瞳。白鳥瞳はYOSHIKIペンネーム。
どっちがどっちだか忘れてしまったけどYOSHIKIと中のネガティヴな要素とポジティヴの要素をペンネームで使い分けてる。
 
歌詞共作とはいえコンプレックスを歌った曲だからTOSHI要素強めなのかな。(あんまり言いたくはないけどXJAPAN解散前後、ホームオブハートにのめり込んだTOSHIは受けていたセミナー活動の中で、えらく自身のコンプレックスについて言っていた、これはHIDEにも語ってる)
 
あまり目立つ曲ではないしライブでは今は全くやらないけど実はかなり好き。前のWEEK END以上にポップでなんといってもキャッチー。Xのもつ重厚さからは少し離れてるかな。
多分コーラス勢は上記のミュージシャンの方々なのかな。
爆発寸前GIGTAIJIのベースソロはぜひとも観ておきたいところ。素晴らしい。
次の曲が存在感のかたまりの4番なので繋ぎ感あるけれど間違いなく存在感のわりに大きな恐怖の3番です笑
 
 
 
X
​(作詞:白鳥瞳.作曲:YOSHIKI.編曲:X)
 
​X! 感じてみろ! ​X!叫んでみろ! X! 心燃やせ!
 
ということで4番バッターきました笑 日本を代表する4番バッターが!※アルバム曲です
 
タイトル知らない、メロディも分からないって人でもXジャンプする曲と言えばだいたいの人は分かるでしょう笑 セトリから外れることはほぼ無い。みんなXジャンプしに行くもの笑
 
 
(余談だが、ジュディマリのTAKUYAはインディーズ時代からXのファンで大阪でのライブでは常に最前取って観ていて、Xジャンプは自分達がやり始めたとHEY×3で公言している)
 
頭のリフがこれ!!!っていういかにもXなリフ笑 そしてソロ、スピード感、刻み、ややくさい歌詞w 全てがXっぽい、いかにもXな曲なのです。
BPMは177。スピードメタルではあるけどライブだと大体YOSHIKIひとりが走ってそれに周りが必死についていく感じ笑 
ソロでHIDE、PATAがハモったりするあたりもやっぱりX。
そしてギターソロ後におなじみのメンバー紹介を乗せる。
オンギタパァ〜タ! オンギタヒィ〜デ!っていうあの誰にも真似できない独特の言い回し笑  ライブでの演奏のアレンジまで含めてやっぱこの曲なんだよね。
 
ちなみにこの曲1985年には原型が存在してるんですね、つまりもう34〜5年歌われていて、Xジャンプもそれに近いくらいされてるわけですよ。
んで88年、昭和最後の年に東京ドームが完成しコンサート使用されるようになり、このアルバムは平成元年。ロックがまだまだ広まっておらずロックバンド自体あまりテレビにも出てなかった。
大規模コンサートもない、ややニッチだったジャンルの時代から今日に至るまで、超大勢の客が一斉に叫んでジャンプするっていう大衆性が出来てちゃんと次の時代にも残りそうでよかった。
 
そしてライブの時、曲の最後に定番化してたHIDEの
「飛べ〜飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ屋根をぶち破っちまえオラァ!!!!!!!」
93年の映像を今も使い続けてる。これもずっと残っていてほしいと思う。
 
 
ENDLESS RAIN
​(作詞作曲:YOSHIKI.編曲:X)
 
​前述したように奇抜なヴィジュアル、ライブでの破天荒なパフォーマンス、テレビ出演などばかりが話題先行してたXの評価が一気に覆り、音楽面が評価されたきっかけになった曲。
 
津田さんだったか誰だったかは忘れたけど「YOSHIKIはこの曲のサビの3音でそれまでのXに対する全ての評価を覆し、天下を取った」と評された曲。
 
HIDEに「バラードはあまり好きではなくてよく飛ばしてた、ENDLESS RAINに出会うまでは」と言われた曲。
 
これをきっかけにYOSHIKIの作るバラードは名作揃いって言われるようになりX自体のバラード評、従って音楽評も鰻登りになる、言わずと知れた稀代の名バラード。
メタルサウンドが売りでありながら、ドラムセットからピアノに移動するっていう面白さ、不思議さから奏でられる一切淀みのない綺麗なメロディ、ハイトーンボイス、このギャップが評価された1つの要因なのかな。
イントロのTAIJIのベースが死ぬ程せつなくて、ソロのHIDE、PATAのハモリがこれまたせつなくてTOSHIのしゃがれたハイトーンがこれま
たせつなくて、せつなさしかない笑
フルオケ採用曲でその辺のアレンジはYOSHIKIと津田さんで詰めていった。クラシック出身者がオーケストラ使えようになるとアレンジ面は鬼に金棒的に強いよね笑
 
ライブじゃ10分くらい客がひたすら合唱したりするけど、これもまた時代を超えそうでよかった。
でもラストライブで誰もいない真っ暗なステージに向かって5.5万人が何十分も合唱する光景は何とも言い難かったりする…
 
 
​(作詞作曲:YOSHIKI.編曲:X)
 
​さきほどXを4番打者と言ったけど、こちらはエース。世界クラスのエース。いや、流れで言えば最強のクリーンアップ笑
健全に日本で生きてたら必ず聞いたことあるであろう名曲。まぁ知らない人はいないでしょ。
 
この曲もかなり昔から原型はあって、でもYOSHIKIが出来が気に入らなくて何度もボツにしかけたところを元メンバー達が少しずつアレンジしていき、最終的にはHIDEとTAIJIがリアレンジを繰り返してこの形になりバンドの代表曲になった。
 
その頃のアレンジはぶっちゃけなかなかダサくて演歌調で、和田アキ子っぽくて合いの手が入りそうなアレンジだった笑 でも笑い話のように見えるけど、先程から散々言ってるようにこれはかなり大事な要素で演歌調のキャッチーさが今もなお生き残ってる理由の1つなんじゃないかと思う。
 
たったひとつYOSHIKIに欠けてたアレンジ能力をHIDE、TAIJI、津田さんがカバーして化学反応起こして良い意味で爆発した曲の成功例ではあるよね。もちろん今のというか92年以降のYOSHIKIにはアレンジ能力も十分備わってると思うけど。
 
そんなこんなでメンバーチェンジの度にアレンジ→ボツ→アレンジ→ボツという経緯を経てインディーズ時代のKURENAIになり、メジャーへ来て更に壮大なアレンジになった。
 
 
YOSHIKIは昔から今に至るまでずっと「100年残る曲を作りたい」って口酸っぱくして言ってるけど、いよいよこの曲も35年近くなる。高校野球の応援歌の定番になったり、2018年になってCMソングに使われたり、息長い曲ではあるけどまだまだ生き長らえてほしいね。
 
 
XCLAMATION
​(作曲:HIDE、TAIJI.編曲:X)
 
SE曲。前半はインドの民族楽器使っていて、途中急展開してTAIJIのスラップによるベースソロが始まる。これがクッソかっこいい。
SEでありながらライブでそこそこ生演奏してたりする。なんならデビュー前から。
しかもCBSソニーオーディションでもやっていて、司会が「紅とオルガスム2曲続けてどうぞ」と言ったのにこの曲からスタートして計3曲やったというww 肝座りすぎててw
​あとは92年のX名義最後のライブ破滅に向かってでもやっていたり。
 
HIDE、TAIJIの共作で、メロディ的に前半はHIDE後半はTAIJI作曲なのかなーと思ってる。インダストリアルとかノイズ系とかその他いろんな不思議な音好んでたHIDEの趣味と、ハードな正統派ロックのTAIJIの趣味っていうあくまで推測です笑
 
 
 
オルガスム
​(作詞:白鳥瞳.作曲:YOSHIKI.編曲:X)
 
インディーズ1stシングルだったりするハイスピードナンバー。これもまたアレンジを繰り返してこのアルバムのバージョンにたどり着く。解散まではライブのど定番でだいたいこの曲で本編終わりって感じだったけど再結成後はあまりやってない。08年再結成のドームの時とか08〜09年の年越しくらいなんだよね。
 
ただこの曲CD音源だと2:47なのにライブでやるとだいたい10分超えるw なぜかと言うと途中ドラムが打ち込みに変わり、YOSHIKIが持ち場を離れてCO2バズーカ片手に場内を走り回って噴射しにいくから笑 
で、この曲たまに途中にBorn to be Wildが入ったり、正月の定番一月一日が入ったり、もひとつ正月の定番ベートーヴェン歓喜の歌が入ったりする。これがなかなか好き笑 (私のツイート見れる人は1/1のをどうぞ)
 
​昔から下ネタ嫌いを公言していて、俺とHIDEの唯一相容れない部分は下ネタとまで言うYOSHIKIさんによる作詞とタイトルがこれとはいかに笑 女性の喘ぎ声がフェードインして始まるイントロってどういうことですかね笑
本当に嫌いなのか分からんね笑 まぁいいか笑
 
あと1995〜1996年のDAHLIAツアー以降英語バージョンのorgasmとしてやり始めたりしたけど1997年の解散ライブと再結成ライブは日本語だったりしてよく分からん笑 
一応世界進出向けの完全英詞アルバムを95年から作っていたから(結果出せなかった)それに入れる予定だったのかなとも思う。
ただこれからリリースされるであろう?ニューアルバムも全編英詞とされてるけどこれにも収録してる感じはなさそう。
 
CELEBRATION
​(作詞作曲:HIDE.編曲:X)
 
​THE・HIDE曲というか歌詞からメロディから何もかもYOSHIKI色ゼロのHIDE曲。YOSHIKIもHIDEも同じKISSでロックに落ちて、その後違う音楽趣味を辿って出会ったことを考えると、その過程の違いが色濃く出たのかな。
 
アルバム曲として、そのアルバムの中のアクセントとして本当に絶妙で素晴らしいロックンロールなわけですよ。当時pro toolsも無い時代に頭のノイズから間奏からXらしさを残しつつやや先駆的なサウンドを作ってたという。
歌い出しからメインボーカルやバンドの音の他にいろんな音や声が両チャンネルから聴こえてくるし、そういう飾り付けもされてる。
 
ちなみにHIDEは94年の自身のソロツアーで、リアレンジしたソロverをやり、94年末のXJAPANのライブのソロコーナーでもやったりしてるんだけど個人的にはそっちの方が好みだったり笑
 
歌詞はとにかくよく分からない独特のHIDEの世界。一応X加入後は初作詞かな?次のアルバムに収録されるJOKERもこれまた独特の世界観でやや似た雰囲気があったりする。
​「青い血のワイン」「時計仕掛けのDNA」、「マネキンどものバベルは9to5」、「真夜中過ぎのシンデレラ」とかやはり独特なワードすぎて…
 
この青い血のワインがどこからどのタイミングで出てきたのかは正直めちゃくちゃ気になる笑
アルバムタイトル決定後なのか、曲の方のタイトルが決まった後なのか
こんな歌詞やらサウンドやらカオスさの塊なんだけど、リフはバッチリ決めに来てるあたりが流石だね。
ここからフィナーレへ。
 
 
ROSE OF PAIN
​(作詞作曲:YOSHIKI.編曲:X)
 
実は個人的にはYOSHIKIの才能が紅よりENDLESS RAINよりXより爆発してると思ってる曲。
11:49の長尺大作。そして何よりイントロからバッハのフーガト短調のフレーズを引用したりしてる曲。なんじゃその曲は?と思ったそこのあなた、
 
あーーーなーーーたーーーの髪の毛ありますか??
 
これなら知ってるでしょ笑 あの曲です笑 この曲のフレーズをサンプリング、引用して使ってるという曲。
 
調べてみたら99年にブリーフアンドトランクスってコンビがリリースして広まったみたいで、その10年前に既に使ってたということですね。ちなみにインディーズの時から繋ぎアレンジとして弾いたりしてたので厳密にはもっと前からですね。この歌詞ばかりが先行するけどメロディはめちゃくちゃ良い。
 
歌詞はYOSHIKIが気に入ってたバートリエリザベートの虐殺伝説について描かれた本から。
けっこうどぎつい美学というかYOSHIKI独特の感性丸出しな感じ。
 
このアルバムから4年後にシューベルトの未完成を所々にサンプリングした29分の超大作ART OF LIFEをリリースするわけだけど、既にここで片鱗を見せてた。(後々ART OF LIFEについては語りたい)
長編大作とはいえバラードスタートで途中からテンポが変わりハイスピードになったり、ピアノソロがあったり、ギター2人ハモらせて壮大なフルオーケストラで外枠音付けしたり、ベースのタッピングで低音ガンガン効かせたりXっぽさの塊なんだよね。
シンフォニックメタル、プログレメタルとはまさにといった感じでこれ23歳で作ったYOSHIKIとアレンジして演奏した前後1歳差の他のメンバーの才能半端じゃないというか生き急いでるというか笑 メジャーデビュー作でこれやる??って感じだよね笑
 
頭っからずっと言ってるようにメジャー行って予算が増えた強みってやっぱこういう曲やれるようになったってのは大きいと思うのね。普通のシングルで10分あったら色々とキツイのかもしれないけど、アルバムの中にしか入れられないような曲でこういう才能見せられたら流石に売れるわな。改めてこういう超大作は死ぬほど好みです笑
 
 
 
UNFINISHED
 
 
​最後の締めのバラード。売って変わって短めの優しいバラードだけどこれもインディーズから持ってきた曲で、インディーズverはタイトル通り未完成で突然終わる。その完成版。
インディーズverはほぼサビのみで展開が少ないまま終わるんだけど、これはちゃんと展開していく。めちゃくちゃ綺麗なメロディでどこかバッハっぽい。
バッハの2声のインヴェンションがどうのこうのって言ってたような…
 
ちょこちょこライブで演奏されてて、YOSHIKIのピアノソロコーナーでやってたりする。シンセで弾いたことも。あとはライブ終盤、ドラム破壊してローディーが組み直してる時の場繋ぎでやったことも笑 (詳しくはLIVE IN HOKKAIDOを)
 
でも何より印象深いのはLAST LIVE。
ここでも書いたけど↓
 
最後の曲のTHE LAST SONGが終わってメンバー全員捌けて、Tearsとともに流れたXの軌跡映像も終わったあと、誰もいないステージの中、この曲が流れてひたすら泣きじゃくるお客さんが映るという…
こういう使われ方するとはこの時は思わなかっただろうな…
 
しかしメジャーデビューアルバムの最後の曲にこのタイトルのこの曲を選んだ意味はデカイね。インディーズ時代からの快進撃まんまメジャーへ行き、ここで再度この未完成さを確認しておく必要があったのかなと。
綺麗に締まりました。
 
 
 
 
 
ということでこのアルバムは終わるのですが、その後のストーリーをザッと確認しておくと売れに売れてツアーもYOSHIKIの体調不良やらなんやらで延期もありつつも大盛況、2ndアルバムでミリオンを達成し、東京ドームもやったという流れですね。
 
当時デビューにあたってメンバー全員で考えたらキャッチコピーがあってそれが
Xはメジャーを変える!
で、まだまだロック自体が音楽業界の底辺だっていう認識があった。テレビは歌謡曲、演歌、アイドルが占めていてそこにロックは存在しなかった。YOSHIKI自身もソニーの人間にロックバンドはテレビに出てはいけないと言われたと発言していてまだまだ広まってなかった。
 
そこでお茶の間にこのアルバム、このアルバムの曲達が出てきたら確かにキッズもお兄さんお姉さんも中年も衝撃受けるよなぁと。
確かにXという存在が、この作品が、ロックを大きく引き上げたのは間違いないかな、しかも平成元年に出たということも。
 
そしてもうひとつは1人のミュージシャンとして、それと同時にインディーズレーベル、エクスタシーレコードの社長だったYOSHIKIとしてソニーと、メジャーレーベルと対等にやりあったこと。今でこそみんなレーベル立ち上げる時代だけど、当時は当然ながらあまりいなかった。(東のX、西のCOLORと呼ばれていて、COLORというバンドのトミーという人もフリーウェルというレーベルを立ち上げたりしていた)
 
契約の場に弁護士を同席させ、レーベルとの立場を対等にしようと動いていたのもYOSHIKIらしく、後のミュージシャンに大きな影響を与えていたのも事実だった。
だから平成元年のXのメジャー行きはとても大きな意味があった。
 
作品自体今聞いても色褪せないし、一つ一つめちゃくちゃ丁寧に作られてるし若さも勢いも年齢に見合わない成熟さもある。
この作品が出て30年という節目に元号が変わるというこれまた節目。
 
きっとこれからもこのアルバムは聞き続けるだろうし、このアルバムを超えるアルバムを探し続けて、待ち続けるのかなと思う。
 
 
では。
 
 
 
 
いやーギリ平成のうちに書き上げられてよかった!!!汗